「背中から腰に鉄の甲羅を貼りつけられたような」苦しみのなか、 何よりも心を打たれるのは著者の「創作に向かう姿勢の誠実さ」で (それが逆に彼女の病状を追詰めるのだが・・) 夏樹静子の小説作品も読んでみたくなった。 この作品にしても個性的な医者、編集者、あやしげな治療師もいたりして いくらでもユーモラスに書けそうな題材なのに そうはしないあたりに著者の真摯さを感じてしまう。 このレビューは参考になりましたか?
ネタバレ Posted by ブクログ 2019年12月02日 器質的疾患がない脅威の3年に及ぶ腰痛の犯人とは!といった実話ミステリーとしても大変面白く、また作者がプロとしてあらゆる治療、それこそまずはの整形外科・筋トレから温熱療法、鍼灸やカイロプラクティック、気功・祈祷まですべて試す! しかも中途半端ではなく少なくとも10回は試し、しかもまったく依存しないと... 続きを読む ころが(つまり宗教に走る的なこともなく)非常に痛快です。 恐ろしきは人の無意識ですよね…自分も夏樹さんなところがあるのでリラックスすることに真剣にならないようにしないと…。 このレビューは参考になりましたか? 2017年07月12日 以前読んだことあったけど、最近の私は椅子が怖いので、かぶりつくように読みました。さすがの筆力。記録としても秀逸。ラストがハッピーエンドでなかったら、私のような読者は救われない。つまり、救われました、かなりね。 2012年03月06日 平木英人医師の「慢性疼痛」(筑摩書房)を読んだので、文庫本を買い再度読んでみた。(『椅子が怖い 私の腰痛放浪記』改題) 売れっ子作家夏樹静子さんの腰痛の発症から克服までの長い戦いの壮絶な経験を記した本。 前半は、これでもかというほど腰痛の苦しみ、そして治療の挑戦と、その失敗・挫折について綴ってある... 続きを読む 。・・・それにしても、世の中にはこれほどまでに多くの治療法(?
ホーム > 書籍詳細:腰痛放浪記 椅子がこわい ネットで購入 読み仮名 ヨウツウホウロウキイスガコワイ シリーズ名 新潮文庫 発行形態 文庫、電子書籍 判型 ISBN 978-4-10-144310-2 C-CODE 0195 整理番号 な-18-10 ジャンル 文学・評論、ノンフィクション、暮らし・健康・料理 定価 572円 電子書籍 価格 506円 電子書籍 配信開始日 2016/07/22 これは他人事ではない! 闘病の果ての劇的な結末。 「夏樹静子のお葬式を出しましょう」──苦しみ抜き、疲れ果て、不治の恐怖に脅かされた闘病の果てに、医者はこう言った。時には死までを思い浮かべた鋭い腰の疼痛は、実は抑制された内なる魂の叫びだった。そして著者もいまだに信じられないという、劇的な結末が訪れる。3年間の地獄の責め苦は、指一本触れられずに完治した。感動の腰痛闘病記。『椅子がこわい─私の腰痛放浪記』改題。 著者プロフィール 東京生れ。慶應義塾大学英文科卒。在学中からNHKの推理番組の脚本を手掛ける。結婚で一時中断するが、1969(昭和44)年江戸川乱歩賞に『天使が消えていく』で応募、執筆を再開する。繊細な心理描写を用い、社会性に富む題材を扱う。1973年、『蒸発』で日本推理作家協会賞、1989(平成元)年に仏訳『第三の女』でロマン・アバンチュール大賞、2006年、日本ミステリー文学大賞を受賞。著書は『Wの悲劇』『白愁のとき』『茉莉子』『量刑』『見えない貌』など多数。 この本へのご意見・ご感想をお待ちしております。 新刊お知らせメール 書籍の分類 ジャンル: 文学・評論 ジャンル: ノンフィクション ジャンル: 暮らし・健康・料理 レーベル・シリーズ: 新潮文庫 発行形態: 文庫 著者名: な
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ブログの「老人性鬱」に対し ある方から「鬱とはもっと深刻な病である」とご指摘いただき 「腰痛放浪記・椅子が怖い」夏樹静子著を読むように薦められた。 評として次のブログのURLを教えていただいた。 要は「夏樹静子さん」の心因性腰痛との凄まじき戦いの歴史である。 読後感… 「腰痛放浪記…」は流れるような文章で迫力満点。 でもこの小説は体験の一部を下敷きにしたミステリー小説。 夏樹静子の語る世界は、実話として考えると不条理。 治療にあたった平木先生がもし実在の医師ならば、まったくの「藪」。 治療がでたらめで、無駄が多すぎる。 彼女には絶食は必要ない。 それ以前のFAXのやり取りも不要。 彼女の症状は多重人格の葛藤。 病気の原因は会話の中で簡単に突き止められる。 例えば夏樹静子の肩を持つと痛みが急に強くなったり 出光静子の肩を持つと彼女が急に不機嫌になったりする。 彼女の中では夏樹静子という人格が圧倒的に権限を持っているが 夏樹静子に対して出光静子が抵抗した歴史。 出光静子は、本来、出光財閥の大奥様で 夏樹静子であることは家族にとって、とても迷惑(?)
この宣告こそ、作家であって知識人でもある著者にはまったく容認できないものだった。著者はそんな推測がいちばんバカバカしいものだと何度もくりかえして書いてきた。そういう判定をこそ三年間にわたって拒否しつづけてきたのだった。しかし平木医師はまったく頑として譲らない。結局、根負けしたように絶食をつづけ、ついに夏樹静子との決別を決意した。 その直後である。激痛が去ったのである。嘘のように消えたのである。そしてそれからは二度と腰痛がおこらなくなったのだ。 このことはいまなお著者自身が信じられないことであるという。それはそうだろう、あれほどの物理的な痛みが自分がつくりだしたただの心の問題であったということなど、とうてい信じられはしまい。著者は心身症にすぎなかったのだった。本書はそのことを劇的に、説得力をもって告げている。しかし、どういうふうに「夏樹静子」を捨てたのか、心身症と腰痛の関係がどういうものなのかは、本書を読んでもわからない。それでも本書は何か決定的なことを告げていた。
鍼灸や整体に行くと実費で1回5000円とか、高い所だと10000円とか取られるし、それを何か月も通うとか、 お金と時間がある人は良いなぁ、とちょっと妬ましく思いました。